2013/11/27

おさがり

子供の頃、とくに小学生の頃って自分の身体の成長の体感があった。
だいたい一年の感覚として。たとえば夏に、次の夏の自分の身体を想定する。

いつも姉からのおさがりを楽しみにしていた私は
「来年はまだ服の大きさに追いついてなくて着られないな」
とか、
「しまった、来年だと私が成長しすぎててもう着どきがない」
「うーん、ちょうど良さそうだけど姉ちゃんがまだ着られてる」
などと自分が姉に追いついたゆえのおさがりジレンマもあった。
基本的におさがりとは楽しみなもののひとつだった。

ひとつよく憶えている。
首のところが赤い縁どりになったハローキティのTシャツ。
それはおさがりではなく私のために買われたものだ。
“そのときジャストサイズ”だったから、
「ああ、きっともう来年はこのTシャツは着られないんだ」
と思っていた。
そしたら普段特にハローキティを愛好していたわけじゃないのに、すごくせつなく愛しくなってきて、結局翌年小さくなったそのTシャツをぴたぴたで(首もわりと苦しい)それでも着てた。
親が「それはもう今年で終わりだね」あるいはそれに類した決定的なことを言い出さないよう願った。
そして、そういわれる時は来た。

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