2014/08/28

詩人の帰還

高台の環状線沿いにあるコーヒーショップだった。二階は離陸前の空港のラウンジのようだ。
この出発待ちのかんじ、いずれ誰もが何処かへ去る予感が心地良い。
窓。映画スクリーンのような窓の外に片側三車線ぜんぶで六車線の道路のグレー、ここを飛行機がゆっくり通る。通ってないけど。ゆっくり旋回して、この窓辺につけるんだ。そんな想像をする。

______________




木のイスと丸いテーブルに座るのに別にコーヒーは言い訳なのだった。否、美味いコーヒーは不可欠だった。なんだ要るのか。
コロンビア豆のドリップを伴にボールペンで『カプチーノカップの形状及びすべての口当たりを決める陶器』についてまとめようとも思ったが、ちょっとその前にブレインストーミング。ストームを起こしかけている頭の中を一回紙の上に出してみる。

______________


「でね」
「え」
幹線沿いの街路樹の葉ひとつも揺らさず、飛行機がコーヒーショップの二階につけた。
それくらいの彼女の一声だった。

______________


ーここで私は『男性は女を好きにならなくてはいけないから大変だな』から始まるコラムをひととおり書いたのだが、当文では必要ないと判断し省略する。ー

______________


ダイブ、潜る。なるほど。潜る、深く意識と言葉の海へ、詩を拾いに。
そうだ水に落としたままの気分だったんだ。今はナイス、潜ってる。
通電状態に入った。僕は機能している。詩を拾いに。

______________


「久しぶり、松陰神社に住んでたとき以来?」
「いや、もう少しいたような」
「そうだっけ。そうだね。」
久しぶりにここに迎えられた、ここに来られた、両方の気分で木の椅子とテーブルでひとり感動している。この感動には少し説明がいる気がする。カフェインも関係しているのかな?とにかくこの詩人とまた会えた。詩人は帰ってきた。ずっと心の中にはいたが、今見たものに反応する本人だ。(我々の会話に思い出話はない。)いたが機能していなかった。そして先程通電状態に入った。私と一致した。そういう気分のことだ。

再会というのかな。方法はおそらくデジタル・デトックスを要し、ひきがねは紙に向かってペンを走らせたことだ。砂嵐の代わりに、先程から頭に言葉が溢れて止まらない。詩人は戻ってきたのだ。

______________

単に思考のパターンのことさ
______________

それでいいさ

とにかくね、この糸の切れたタコ状態とか夜明け前状態の時にだ、君が帰ってきてくれたのが嬉しいんだ。私はこれから美しいものを判って正しく生きて行けるという鐘が鳴ったようさ。
実をいうと、ここ数日、もしかしてこのままうつろな人間になってしまうのかなとひどく落ち込んでしまったんだ。見たいもの・行きたいところ・好奇心もなくなって大好きな旅にも出られない人になってしまうのは嫌だなってね。今は全てに祝福が降ったようさ。愛に溢れている。
楽しくて美しいのが正しいことさ。

_______________


同時に同じことを二地点で見ている場合に、一地点にフォーカスしてるともうひとつが底から出てこないままということになってしまうのだね。きっとそうだったんだろう。それゆえに「潜る」という言葉に反応したんだろうしさ。
絵ではなく文章を司り詩人が帰ってきた。




I will make a procedure clear once again.
A Poet's Return.
・Digital Detox is needed.
・Write down (anything).

0 件のコメント:

コメントを投稿